資産運用初心者講座その1:運用しないことが「リスク」になる理由と、複利×積立の基本
「投資は怖いから、現金のままが安全」と思っていませんか? 実は、何もしないこともリスクになり得ます。 この記事では、インフレの仕組み・複利の効果・積立額別の資産推移を、できるだけわかりやすく整理します。
この記事の前提:数値例は理解を助けるためのシミュレーションです(将来の成果を保証しません)。 税制(NISA等)、手数料、商品選定、相場変動などにより結果は変わります。
※「投資=ギャンブル」ではありません。ここで扱うのは、長期・分散・積立を前提にした“資産形成”の話です。
1. 「運用しない」こと自体がリスク:インフレでお金の価値は目減りする
資産形成をしない最大の落とし穴は、インフレ(物価上昇)です。 物価が上がると、同じ金額でも買えるモノ・サービスが減ります。 つまり、現金をそのまま置いておくことは、購買力(お金の実力)が下がるリスクを抱えることになります。
真の意味で「何もしない=ノーリスク」ではない。
インフレ下では、運用しないこと自体がリスクになり得る。
イメージ例:インフレ率が年2%だとすると、20年後の物価はざっくり
1.02^20 ≒ 1.49倍。
いま1万円で買えるものが、20年後は約1万5千円必要になるイメージです。
※正確な値は状況により変動しますが、「長期になるほど影響が大きい」ことがポイントです。
2. 複利の効果:積み立て投資と相性が良い理由
資産形成でよく聞く複利とは、「増えた利益にも、さらに利益がつく」仕組みのことです。 単利(元本だけに利息がつく)と違い、複利は時間が味方になります。
複利の超ざっくり理解
- 最初は増え方が小さい
- 時間が経つほど増え方が大きくなる
- 長期ほど効果が出やすい
積立投資と相性が良い理由
- 時間を味方にできる(複利が働く期間が長い)
- 毎月の積み増しで元本が増え、複利の土台が大きくなる
- 価格変動を平均化しやすい(高い時は少なく、安い時は多く買う)
重要なのは「一発で当てる」ことではなく、 継続しやすいルールを作って長期で積み上げること。 たとえば「給料日に自動で積立」「生活防衛費を確保してから投資」など、 仕組み化ができると強いです。
3. 積立額別シミュレーション:どれくらい積み立てると、どれくらい増える?
ここでは、初心者がイメージしやすいように「毎月定額を積み立てたらどうなるか」を例示します。 前提は以下のとおりです。
- 毎月積立:3万円 / 5万円 / 10万円
- 期間:10年 / 20年 / 30年
- 想定利回り(年率):3% / 5% / 7%(いずれも一定と仮定)
- ※税金・手数料・相場の上下(暴落や急騰)は考慮しない単純モデルです。現実は上下します。
積立元本(入れたお金)
| 毎月積立 | 10年(元本) | 20年(元本) | 30年(元本) |
|---|---|---|---|
| 3万円 | 360万円 | 720万円 | 1,080万円 |
| 5万円 | 600万円 | 1,200万円 | 1,800万円 |
| 10万円 | 1,200万円 | 2,400万円 | 3,600万円 |
想定利回り別:将来の資産額(概算)
※下表は「月次で積立+複利」で概算した目安です。端数は四捨五入。
| 毎月積立 | 10年 | 20年 | 30年 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 年3% | 年5% | 年7% | 年3% | 年5% | 年7% | 年3% | 年5% | 年7% | |
| 3万円 | 約420万 | 約465万 | 約517万 | 約984万 | 約1,233万 | 約1,535万 | 約1,747万 | 約2,497万 | 約3,667万 |
| 5万円 | 約699万 | 約775万 | 約862万 | 約1,640万 | 約2,056万 | 約2,558万 | 約2,912万 | 約4,161万 | 約6,112万 |
| 10万円 | 約1,398万 | 約1,550万 | 約1,723万 | 約3,280万 | 約4,112万 | 約5,117万 | 約5,824万 | 約8,323万 | 約1億2,224万 |
表の読み方:初心者が見落としがちなポイント
- 最初の10年は“増え方が地味”に見えがち(複利は後半ほど効いてくる)。
- 期間(時間)が伸びるほど、「元本の増加」+「複利の増加」が同時に大きくなる。
- 利回り差は長期ほど効く(ただし高い利回りほど価格変動が大きい可能性もある)。
「いくら儲かるか」より、
「生活を崩さずに、長く続けられる額はいくらか」を先に決めるのがコツ。
まとめ:初心者が今日からできる“現実的な第一歩”
- 現金だけは安全そうで、実はインフレで価値が目減りするリスクがある。
- 複利は時間が長いほど効く。だから積立投資と相性がいい。
- 積立額は「理想」より継続できる額。小さく始めて、慣れたら増やすのが堅実。
次回予告(例):初心者向けに「生活防衛費」「NISAの使い方」「商品選び(低コスト・分散)」を整理します。
※この記事は一般的な情報提供であり、個別の投資助言ではありません。投資判断はご自身の状況に合わせて行ってください。